脱サラ☆アラサー女子のJourney to Jeweler

ベルギー・アントワープからお届けするジュエラー綾野の日々の記録

新入生のおばあちゃん:歳をとってもチャレンジしていいんだってニューヨークは教えてくれる

先週から水曜日の午後だけ、

ご年配の女性が授業をうけるようになりました。

 

ニューヨーク長いんだろうなという

おしゃれで自立した雰囲気の方です。

 

たまたまわたしのとなりの席に

お座りになってご挨拶したのですが

愛想が全然ないところが

自分の実のおばあちゃんにそっくりで(笑)

勝手に親近感がわきました。

 

最初はみなと同じように

糸ノコで楕円を切るところから

スタートされたのですが、

少し進めるごとにため息、

切り終わる頃にはぐったりとされていました。

 

初めてジュエリーづくりに挑戦されたようで

こんな力仕事だとは

思いもよらなかったわ、という風情。

 

心配になって

『Are you OK?』

と尋ねると

『I'm OK.』

と無愛想全開。

 

教わったことを黙々とやって

御帰りになりました。

 

とてもお疲れだったので

もう来ないかもしれないな、

と思っていたのですが

2回目もきちんといらっしゃいました。

 

その日は、はじめて指輪を完成させて

嬉しそうなお声をきけました。

 

表情に表さなかっただけで

実はとてもエンジョイしていたのです。

 

そんな彼女に、クラスメートも

気軽に声をかけていました。

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その様子をみながら、

実のおばあちゃんを

思い出していました。

 

彼女は幼い頃に戦争を経験していて、

結婚した後も、

夫の年の離れた弟や妹の面倒を見るなど

なかなか苦労が多い人生だったようです。

 

そういう人生のせいか、

しなければならないことには

とても機敏なのに

自分がしたいことには

とても鈍感な人だったと思います。

 

したいことをする、という

発想すらないようでした。

 

そんな祖母の人生の最後の数年は

朝から晩までずっと

テレビをみる日々でした。

ずーっと、1日中、1人で。

 

もしかしたら、

テレビが本当に好きだったのかもしれない。

毎日働いてきたから

のんびりダラダラできて

毎日最高の気分だったのかもしれない。

 

そのときの祖母の気持ちは

祖母にしかわかりようもなく、

私のような若輩者が

推し量りきれないところは

ありつつも

 

娯楽がテレビしかない祖母を見ると

私は少し悲しい気持ちになりました。

 

この違いはなんだろう。

 

ニューヨークにきて印象的なのは

お年寄りが堂々としていることです。

おしゃれなレストランに行く、

バーで流れてくる曲を若者と一緒に歌う、

ご夫婦でお出かけしてダンスをする。

 

お年寄りがへりくだることもなければ、

若者が変に気を使いすぎることもなく、

でも困っていたら手を差し伸べる。

 

そこにいることが当たり前、なんです。

 

 

 

歳をとっても、関係ない。

自分のしたいことをする。

新しいことにもチャレンジする。

 

それを受け入れてくれる社会で私は生きたい。

これからどんどん生きる時間が

長くなるのならなおさら。

そんなことを考えていました。