こんにちは、綾野です。
先ほどヴァンクリがスポンサードしている
L'ÉCOLE(レコール)
ジュエリーと宝飾芸術の学校
のイブニングカンバセーションに
参加してきました〜!
2月に行われる日本特別講座のプレイベント
https://www.lecolevancleefarpels.com/ja/lecole-abroad/lecole-tokyo
本講座めちゃめちゃ楽しそう。。。
いいなぁ
目指せ最早レポ!笑 ということで
講演の内容をお届けしたいと思います😊
- カンバセーションテーマと講師
- 1925年パリ万博で展示されたインテリアがアール・デコの起点
- パリ万博におけるファッションとジュエリー
- 社会的なできごとがジュエリーデザインに影響を与える
- 漆芸家 ジャン・デュナン
- 個人的な感想
カンバセーションテーマと講師
今回の会場は
アール・デコ展が開催されている
東京都庭園美術館にあるレストラン
ということもあってかテーマは
「アール・デコ時代を構築したさまざまな芸術的要素」
アール・デコジュエリーといえば
直線的
幾何学的(ジオメトリック)
バイカラー
が特徴です。
このような流行がどのようにして
生まれたのかにせまる内容でした。
なんとなーく
キュビズム(ピカソなど)の影響かと
思っていましたが今回の講座でより深掘りできましたよっ
講師はフェリス女学院大学の准教授
朝倉三枝さん(めちゃめちゃお綺麗で驚いた。。)と
レコール講師のポール・パラディ氏。
パラディ氏はフランス語でお話しされましたが
同時通訳イヤホン付き。
ちなみに会場ではシャンパンや
金柑のミモザ(!?)、ハンドフードなど
素敵な演出がされていました!
さすがヴァンクリ様。
では講演の中身をお届けです〜!
1925年パリ万博で展示されたインテリアがアール・デコの起点
アール・デコの起点として
1925年のパリ万博が重要な役割を
果たしているとのことで
そこで展示されたインテリアが
最初に紹介されました。
建築って長く使われるものだから
未来を予測してデザインされるため
あらゆる芸術の先駆者なんですって。
そいやムッシュディオールも建築に造詣ふかかったな
ムーブメントの最初は建築!なのですね。
こちら壁〜天井すべて漆だそう。
漆は光沢感がモダンとされ
この時期とても人気だったそうです。
あれ、ここにある彫刻、
グルベンキアンで見たこの美女っぽい
こういうの嬉しいですね
エレガントな机。脚の曲線美!
意外に直線的ばかりでもないのですね。
講師の方がアール・デコは
①モダンなデザインを追求
②職人の技巧を生かす
の2派にわかれると考えられると
おっしゃっていて納得でした。
パリ万博におけるファッションとジュエリー
先述のパリ万博には
エレガンス館なるものがあり
ファッションやジュエリーが展示されていました。
パリのクチュールメゾンの中で最も古い
ジャンヌ・ランバンのドレス。
当時の流行を体現しています。
ジャンヌ・ランバンはこの万博で
モード部門の委員長を務めました。
(副委員長はポールポワレ)
ベルエポックのSラインに対し
直線的なラインで女性を解放しながら
シンプルなシャネルとは違った
ロマンチックで繊細な装飾が特徴。
こんなドレスにショートカットが
モダンなスタイルでした👗
そしてジュエリー!
150ものジュエリーが展示されたそう。
インドより輸入したエメラルドを使った
カルティエのショルダーネックレス。
いったん紛失後2009年にクリスティーズに出品され
7億9千万ドルで落札だったとか。
「電気と水」がテーマだったため
噴水⛲️は最適なモチーフ。
左のラリックのガラス噴水は
15m17階だて、125個のニンフのガラス彫刻が使われている傑作。
右のティアラはモーブッサン。
左右対称な幾何学模様で
噴水を美しく表現しています。
これ一番ぐっときたわ。。。
他にもこんなジュエリーが。
左は中国演劇のマスク、
真ん中はロシアバレエのコスチュームから
インスパイアされています。
エキゾチズムと電気などの最新技術が
アール・デコ様式のソースなんですね。
社会的なできごとがジュエリーデザインに影響を与える
1925年のパリ万博に続き
1931年には植民地展覧会が開催され
(すごいネーミングやな)
当時ヨーロッパの植民地だった
アフリカやアジアの産業や芸術が
紹介されました。
この影響でアフリカ趣味、中国趣味の
工芸がつくられていきます。
実はピカソのアヴィニヨンの娘たちも
アフリカのお面からインスパイアされたそう!
(1907年と少し前、キュビズムの元となった)
アフリカンアート、すごし。
1922年のツタンカーメンの墓発見で
エジプト趣味も再来。
社会的なできごとは
アートの母なのですね。
ツタンカーメンの墓の発見がエジプト趣味になり、植民地主義がアフリカ趣味となり、歴史的なできごとは芸術の母なのだなぁ
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) 2019年1月13日
人類が火星に進出したら、火星趣味のジュエリーをいち早くつくればいいのかな😂 pic.twitter.com/6vKWTwyOV9
漆芸家 ジャン・デュナン
講座の最後はアール・デコ期を代表する
インテリアデザイナーであり漆芸家の
ジャン・デュナンに
焦点が当てられていました。
初期は彫刻家を目指していましたが
パリに滞在していた
日本人漆芸家菅原精造氏に学び
漆を扱うようになります。
彼による屏風と壺。屏風かっこよすぎる。
ちなみに当時のファッション誌には
背景に屏風がよく使われたそうですが
当時の直線的なドレスを際立たせるのに
効果的だったからだそうです。
そんな彼をモードの世界に引き入れた
帽子デザイナー マダム・アニエス。
二人の初作品。
フェルトに漆を塗り、
卵殻技法で白色をつけるなど
新しい技法を生み出しました。
斬新な帽子たち。
2人の作品は、帽子をアートに引き上げたと言われています。
デュナン氏のモードへの関わりは
帽子に留まらずテキスタイルにも。
たまたま漆を塗った筆を布で拭いた時に
布がよき光沢とはりになったことから
漆布を開発したそう。すごいな。
漆のワンピース。
マダム・アニエスが着ています。
バックは屏風ですね。
そして漆ジュエリーまで!!
日本の伝統技術・漆と
アフリカ風のデザインが組み合わされ
新しい表現=モダンに昇華されています。
デュラン氏の作風にみられるように
アール・デコとは
アジアやアフリカなど
非ヨーロッパ文化の要素が
重なって生まれた新しい表現
と言えるのですねぇ。
個人的な感想
デュラン氏の制作エピソードをきいていて
新しいものを生み出すには
哲学、美意識に加えて
技が必要
という発見がありました。
哲学と美意識を有していても
それをアウトプットする手段がなければ
表現には至らない。
わたしも考えるだけでなく技を磨かねばな!
ということでレポを終わります。
今年もつくるぞ〜!!!!!