こんにちは、綾野です。
#綾野ジュエリー図鑑2018まとめ第三弾!
本日は18世紀特集!
フランスでは
ポンパドール夫人やマリーアントワネットによる
初の女性発信のスタイル“ロココ”が確立。
イギリスはまだまだ文化後進国で
お金持ちの子供は
ヨーロッパにグランドツアーに行き
(長期修学旅行みたいなもの!)
文化を学んでいた時代です。
ポルトガルやスペインが大航海時代の名残で
ジュエリーではまだまだぶいぶい
いわせていた時期でもあります。
ロシアでは世界で最もジュエリーを
所有していた王室とされるロマノフ王朝で
ジュエリー好きの女帝エカテリーナ2世がぶいぶいの頃。
(オルロフダイヤモンドの王笏すごいよ!)
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お楽しみくだされ!
ペンダント
163 Pendant(18世紀後半葡)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) June 12, 2018
ローズカットダイヤをちりばめたペンダントトップ。シンメトリーの複雑なデザインは、レースのリボンを意味するlaçaという名前がつけられておりこの時期にヨーロッパで大流行しました。シートゴールドをカットし彫りを入れる手間のかかったもの。
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220 necklace(1780-1800年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) August 9, 2018
18世紀後半〜19世紀前半にかけて流行したポルトガルのネオクラシカルスタイルのネックレス。フランスのロココスタイルの影響を受けたシンメトリーのボウ。ダイヤモンドではなくホワイトトパーズだったため、作り変えられることなく残りました。
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ブローチ
358 Spray ornament(1750年露)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) December 24, 2018
クリスマスカラーのロシアンジュエリーをご紹介。ルビー&ブリリアントカットダイヤモンドの花束、茎はエナメルでグリーンに。
もともとロシア帝国のコレクションでしたが革命の後ボルシェビキ政府により売却されました。
メリークリスマス。
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042 knots bodice ornament(1760年露)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) February 11, 2018
knots=結び目も愛のモチーフ。
シルバーにブリリアントカットのダイヤモンドを前面にあしらったボウブローチはロシア産。これほどダイヤモンドをあしらったこの時代の作品が残っていることはまれです。(作りかえられてしまうため)#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/RKe6M5sW5B
161 Bodice ornament(1770年葡)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) June 10, 2018
18世紀ポルトガルの植民地だったブラジルからの輸入品のひとつがトパーズでした。シェリートパーズとも呼ばれる黄金色。リボンと花のシンメトリーのモチーフは無色トパーズとロッククリスタルが混ざっています。
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054 Spray ornament(1790年頃西)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) February 23, 2018
スペインジュエリーつながり。当時流行のブーケモチーフ。高さ約18cmと大ぶりですが繊細で複雑な細工。スペイン王カルロス4世の妃マリア・ルイサのもので、14回もの出産により風貌が衰えたため着飾ることに執念を燃やした人だったそう。
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362 PendantTop(1790年露)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) December 28, 2018
18世紀後半に在位したロシア皇帝エカチェリーナ2世がイースターに廷臣へ贈ったとされるペンダントトップ。タマゴはキリストの復活を象徴、王冠はロシアンスタイル。タマゴを開けると皇帝のモノグラムが青地にダイヤで描かれています。
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指輪
320 Ring(1725-75年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) November 16, 2018
真鍮にエナメルがほどこされたリング。ミュージッシャンにダンサー、カードプレイヤーと当時の風俗が描かれています。19世紀の重要な指輪コレクターであり研究家のEdmund Watertonのコレクションの一部。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/V55H9nVWBM
043 flowerpot ring(18世紀中期英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) February 13, 2018
18世紀後半に流行した花のモチーフも愛の伝道師。花束など沢山のお花を盛り込んだデザインが人気で、こちらは花瓶に生けられたお花を模したリング。別名"giardinetti=little garde"ring。ローズカットダイヤ、ルビー、エメラルド。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/gMCOmNOtPB
※044の間違い
204 Ring(1730-60年西欧)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) July 23, 2018
ジャルディネッティ(giardinetti=イタリア語で"小さな庭")は18世紀に流行した、花籠やブーケを小さな世界で表現したデザイン。テーブルカットのイエローダイヤモンドにルビーとエメラルド。ショルダー部分にはブリリアントカットのダイヤモンド。
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340 Ring(1760年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) December 6, 2018
同じダイヤモンドのみを使ったジャルディネッティでも本家(最盛期のもの)ですとロマンティックな雰囲気。
ベゼルはダイヤモンド側をシルバー、肌にあたる面をゴールドにすることで、ダイヤの白い輝きを増幅させながら硫化銀で衣服が汚れるのを防ぎました
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275 Ring(1750-75年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) October 3, 2018
貴重な18世紀のフリーメイソンのリング。貝型の枠に三角定規、ものさし、コンパス、水平器、こてというフリーメイソンの前身と言われる石工職人のギルトに関するモチーフが配置。ソロモン神殿にて富をもたらすとされているダイヤとエメラルドをセット。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/pHfZ74Ou1h
281 Ring(1750-1800年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) October 9, 2018
ゴールドにロイヤルブルーのエナメルを施したガーターの形をしたリング。1348年にエドワード3世によって創設されたイギリスの最高勲章ガーター勲章の一部。モットーである“Honi soit qui mal y pense”(悪意を抱く者に災いあれ)が記されています。
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034 ring(1780年欧)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) February 3, 2018
永遠の愛を意味するルビーとダイヤモンドのコンビをシンメトリーに並べてハート形に。色移りをよくするため、ルビーはゴールドに、ダイヤはシルバーにセットされています。シャンクには葉の模様。愛の花が咲いたようなリング。V&A博物館蔵。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/si8ceCDuwH
モーニングジュエリー
111 Locket(18世紀英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 21, 2018
故人の遺髪が主役として配されているモーニングジュエリー。18世紀には髪を絵にするなど脇役ではなくメインに使うデザインが流行しました。髪を編むのはプロの場合もありましたが多くは遺族本人でした。
パールとグリーンのペーストを使用。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/X1NWdqRVe3
350 Pendant(1770年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) December 16, 2018
新古典主義らしくギリシア風にデザインされたモーニングジュエリー。骨壷のモチーフがアメジストで彩られています。中には故人の髪の毛が。表には故人の名前。この時期のモーニングジュエリーの定型です。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/uIyKwzQvul
235 Ring(1780年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) August 23, 2018
女性のシルエットに、周囲にはフランス語で「私は彼女の影すら心に留めおく」というロマンチックなセンテンス。ベゼルの下には編まれた髪の毛。切なさが感じられるモーニング(死を悼む)ジュエリーです。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/5MAGQtx8QA
※234の間違い
028 Neo classical mourning ring(1791年頃英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) January 28, 2018
ガブリエルという男性ジュエラーと彼の親友を悼むためのジュエリー。生前にガブリエルが作成した指示書をもとに死後に制作。ロッククリスタルのパネルの下には編まれた髪の毛が。柱の上に置かれた骨壷。親友の息子への贈答品。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/Yo3CiCyh1k
219 Slide(1775-1800年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) August 8, 2018
1760年よりメダルやロケットタイプのモーニングジュエリーの流行が生まれました。シードパールのお花に髪の毛で表現された葉。高さ4センチほどの空間に精細な世界を作り出しています。
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ペーストジュエリー
067 Paste set jewellery(1760年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) March 8, 2018
ペーストとは宝石のようにカットされたガラスのこと。1700〜1865年頃のものが素晴らしくアンティークでは宝石に匹敵する価値で扱われます。
オパールに似せた乳白色のペーストとダイヤのようなペーストを使ったセットジュエリー。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/AM8nUkLLPd
イヤリング
162 Earrings(1780-1800年葡)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) June 11, 2018
18世紀後半〜19世紀前半のポルトガルのネオクラシカルなデザイン。ロココの影響。
ホワイトトパーズをシルバーにセットすることで白色際立ちます。元はダイヤモンドだった可能性がありますが流行の変遷に伴い古いデザインは安価な石に付け替え。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/0s4gitEIoj
ブレスレット
234 Bracelet clasps(1770年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) August 22, 2018
当時ブレスレットは両手首にペアでつけられていました。パールのストラップを留めるためのクラスプと想定。アルファベットのMと愛のトロフィーのモチーフ、マリー・アントワネットに関連する品と考えられています。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/4egrmB5yF6
※233の間違い
嗅ぎタバコ入れ
237 Snuff Box(18世紀前半伊)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) August 25, 2018
地の鼈甲を彫ったくぼみに赤金(金と銅の合金)をはめ込んだ、ピクエと呼ばれる技法を使った嗅ぎタバコ入れ。格子と魚のうろこのパターンにスクロール模様の組み合わせはイタリア産によく見られます。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/7gHFDNncGu
※236の間違い
106 Scent bottle(1750年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 16, 2018
18世紀前半のフランスのかきたばこ入れを真似てイギリスでつくられた香水瓶。全体的に彫りをいれることで質感を出しています。当時イギリスは文化後進国でフランスやイタリアへの憧れがありました。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/cuTjt3zWpZ
325 Etui&châtelaine&Snuffbox(1760年澳)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) November 21, 2018
ウィーンの金細工工房Schindlerによる豪奢なセット。
étuiとよばれる小さなボックスには中にはナイフ、スプーン、ようじ、耳かき、鉛筆、ハサミが入っています。東欧にいってみたい!
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/PrwIoL1frv
030 Snuffbox(1765年ベルリン)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) January 30, 2018
プロイセンのフレデリック2世のコレクションの中でも最も豪奢なかぎたばこ入れ。ロココ調の金の枠に真珠層をはめ込み、ダイヤと色石で装飾。
さりげなく散りばめられた"友情"のトルコ石の勿忘草は当時人気のモチーフでした。
V&A博物館蔵。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/R9d8GSCxP2
298 Snuffbox(1767年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) October 25, 2018
François-Guillaume Tiron作。
イエローにピンク、ホワイトと様々なカラーのゴールドを使い模様を施した嗅ぎタバコ入れ。
トップのメダル部には音楽、園芸、農業をしめすアトリビュート(持ち物)を配置。18世紀に始まったロココの影響感じられます。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/anbeYB4iaS
308 Snuff Box(1760-70年独or澳)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) November 4, 2018
ロココとネオクラシック双方の影響が見られる嗅ぎタバコ入れ。赤い板はブラッドストーンに模様が彫られたもの。蓋の側面にあるvitruvian scrollと呼ばれる波型の模様やモノクロのエナメルはネオクラシックの特徴です。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/syzkLEwwVN
シューバックル
349 Shoe Buckle(1760年英)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) December 15, 2018
18世紀、ゴールドやシルバーのシューバックルは貴族の間で男女ともに欠かせないファッションアイテムでした。
こちらのボウとクラスターを組み合わせたバックルはシルバーの土台にペーストとアメジストがセットされたもの。
#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/fdd8Rze1TX
066 Shoe buckle(1770年欧)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) March 7, 2018
18世紀に流行した靴用のバックル。初期は実用的な小さなものでしたがだんだん大きくなり装飾要素が強くなりました。銀にダイヤモンドの代用として人気だったマーカサイトとガラスを宝石のように精巧にカットしたペーストがはめられています。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/kxMouB3Di9
次回はみんな大好きヴィクトリアン、
自然主義の美しいお花ジュエリーに
想いのこもったセンチメンタルジュエリーが満載!
乞うご期待です!
※画像や解説は以下より転用しております。
British Museum - Collection search
#綾野ジュエリー図鑑2019 も
絶賛毎日更新中なので
是非ともツイッター、フォローくださいませ^^
001 Peacock Brooch(1867年
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) 2019年1月1日
フランス人ジュエラーGustave Baugrand作。ゴールドにダイヤ、ビルマ産ルビー、インド産エメラルド、セイロン産サファイアをはめ込んだ景気のいいブローチ。
この孔雀、羽が動くというから驚きです。
#綾野ジュエリー図鑑2019 pic.twitter.com/a4qFgSwFck